なにもせずに勃起したからテレクラ女に即ハメした

なにもせずに勃起したからテレクラ女に即ハメした

何もせずに勃起するということはそれほどすごいことなのだろうか。自分などは目覚めたときから眠るときまで、特に理由もなく頻繁に、唐突に勃起してしまうほうだから、「なにもない勃起」にこれといった価値を与えようとも思わない。

ハニーラインのテレクラ女を前にして勃起したときも、自分は何というか、そのテレクラ女によって勃起を喚起されたというより、気がついたら勃起していた。

テレクラ女に触れるわけでもなく、テレクラ女の性的な箇所をまじまじと見るわけでもなく、ぼんやりしていたら、勃起。テレクラ女に指摘されるまで自分が勃起していることに気づけないくらいの、没我的勃起とでもいおうか。

もちろん、いつだってこんな没我的な勃起に不意打ちされているというわけではない。テレクラ女の卑猥な仕草なり声などに触発されることで勃起させられることのほうが多いのだし、「勃起するぞ」と決意することによって勃起のための努力をすることだってある。

だが、今回、テレクラ女に「何もしてないのに勃ってるなんてすごいですね」といわれたときは、自分は、性的なことを考えていたわけでもなく、ましてや、目の前のテレクラ女に欲情などしていなかった。

そもそも、今回出会ったテレクラ女は自分としてはそれほど好みではなかったし、身体も貧相、性格もどこかすれっからしな印象が強く、性的にそそられることが少ないテレクラ女であることは否定できないようなテレクラ女だった。

テレクラ女にスイーツを振る舞っているときも、「それほどセックスがしたいとも思わんな」と考えていたのであって、軽食と雑談だけして解散という流れになる可能性も大いにあったのだ。

ところが、私は気がつくと勃起していた。欲情に先行して勃起があった。実存が本質に先立ち、勃起が欲情に先立っていたということだ。先が勃っていたのだから、まさにさきだちだ。

勃起状態にあるということは、性行為へ移行することができるということであった。だから、私は性的にそそられることがないと感じていたはずのテレクラ女とめちゃくちゃにセックスすることになった。

勃起によって少しずつ生じてきた欲情によって、見た目も、貧相な肉体も、ハスキーボイスでなされるぶっきらぼうな話し方も、すべてがエロく、たまらなく「そそる」ものに早変わりし、勃起した陰茎はいよいよその硬度を増していくことになる。

何もせずに勃起した場合、その勃起は、何かをすることによって変化させることができる。触れることもなく、見ることもなくした勃起は、触れること、見ることで、勃起の先へと導かれていくことになる。いうまでもない、射精だ。

射精というのは、勃起が先であれ欲情が先であれ、どちらかによって歓喜されて二つの要素が手を取り合ったときにはじめてその射精可能性といえるものを孕むのであって、この段階に至ってはじめて睾丸というものが機能しはじめるのである。

もちろん、射精させるも射精させないも自分次第であり、勃起による欲情、あるいは、欲情による勃起による、欲情プラス勃起としての男性主体を射精という場所に最短距離で運ぶもよし、射精という結末を避けるために逸脱と迂回を繰り返すもよしで、射精の自由裁量は、ある程度は男性主体に委ねられている。

だが、欲情プラス勃起としての男性主体の自由は、すべてが男性主体にあるのではない。ほかでもない、テレクラ女性というものが、男性主体を射精に導くかどうか、ということの支配権をある程度は握っているのだ。

その支配権は、テレクラ女性が勃起した陰茎を、手なり、口なり、女性器なりで「にぎる」「つかむ」瞬間に発生するのであって、テレクラ女性に「にぎられ」「つかまれ」た男性主体は、それまでは自分の自由裁量でコントロールしていた勃起した陰茎を、相手に丸投げし、統治権を半ば以上失うことになるのである。

このあたりのセックスの現場における、欲情プラス勃起という男性主体と、テレクラ女性との覇権をとりあう戦いは、ある種の緊迫感を持って進行していくのであって、あるときは男性が握り、あるときは女性が握りながら、射精という結末を早めたり引き伸ばしたりするのである。

今回のハニーラインのテレクラ女性は、「射精の延期」を好むタイプのテレクラ女性であったため、フェラチオにしても挿入にしても、射精に導くためのテクニックではなく、むしろ、射精を寸止めするためのテクニックを行使し、手早く射精したいというこちらを支配し、思惑とは違う方向へと私を引っ張っていった。

この自分の意思とは関係なく起こる勃起、そして、自分が想定していたのとはまるで違う快楽の場所へと自分を引きずりこむテレクラ女性、この制御できないものを制御しているという錯覚に包まれながら、私は自由の幻想としての射精のなかで意識を失う。

トップへ戻る