ハニーラインで出会う女たちがあまりにもいい女すぎて、嫉妬の嵐でくるってしまいそうだ。
マブくエロい女たちを口説き落とし、出会い、ラブホテルに連れ込み、数回戦に及ぶファックに明け暮れているのだから、嫉妬なんてする必要がないではないか、むしろ、そんな暮らしをしているお前に嫉妬してしまいそうだ、などと言われてしまうかもしれない。
だが、違うのだ。いや、もちろん、おれがハニーラインを利用することによって、男にとって憧れの無軌道かつ充実した性的生活を送っていること自体は否定しないのだが、おれは、自分自身がテレクラマックスのなかに見出したこのめくるめくセックスライフゆえに深甚な嫉妬に見舞われるのだ。
たとえば、おれは今日、ハニーラインで性欲というものが権現として姿をあらわしたとしか思えない茶髪ボブヘアーの陽気なギャルと出会い、セックスをしてきたばかりなのだが、彼女とのセックスの間、おれの全身を支配していたのは「この女をおれ以外の誰かが抱いていると思うと身悶えして憤怒で四肢が千切れ飛んでしまいそうだ」という嫉妬感情であった。
黒のニーハイタイツとローライズホットパンツによって現出した絶対領域はそのアッパーなギャル顔およびあけすけな性格ゆえにアニオタ的な記号的卑猥さを持たずアンバランスであるために生々しい性のにおいをふりまいていたのだが、その絶対領域にさらけだされた太ももの眼を焼き焦がすような輝きを前にしておれは彼女の太ももにむしゃぶりつきたいという欲望と同程度の強烈な嫉妬で目眩を起こしていた。
彼女の服を脱がし、赤の下着が明るみになった途端、激しい勃起とともにおれの嫉妬感情はいよいよピークに達していて、心臓の鼓動にあわせて後頭部に鈍痛を感じるほどだったのだ。もちろん、鈍痛と同期して、おれのペニスは血脈の躍動とともに興奮ではねあがりもしていたのだが。
自分にはこの世に存在するあらゆるエロかわいいテレクラ女どもを独占したいという異常性欲があるらしい。おれがハニーラインにコールしつづけているのはこの異常性欲に突き動かされているからにほかならない。
だが、あらゆるエロかわいいテレクラ女をおれが独占することはできない。エロかわいいテレクラ女たちは、おれ以外のテレクラ男および、テレクラとはまるで関係ない男にも抱かれ、乳房を揉みしだかれ、全身に舌をはわされ、女性器に男性器を挿入されているのだから、おれは、おれの異常性欲であるテレクラ女の独占という欲望を満たすことは絶対にできない。
それゆえに、おれは嫉妬してやまないのだし、満たされない異常性欲であるために、おれのテレクラ利用は過激化し、継続されるのだ。
こんなすばらしい肉体をおれ以外の男が堪能するなどということは、絶対に許せない!テレクラ女の女性器に侵入しながら乳房を口に加えているとき、おれはそう叫び出したい衝動にかられる。だが、おれがそう叫んだところで、テレクラ女がおれ以外の男とセックスすることを止めることはできない。
特に、今日のテレクラ女のような性欲の権現であったならば、おれ一人の陰茎に満足することなどありえないのだから、おれとのセックスが終わった直後すぐに別の男にアプローチをしかけ、セックスを開始するに違いない!いままさに抱きつつある肉体も、ほんの少し前に別の男に抱かれたばかりじゃないか!
おれ以外の男とセックスするテレクラ女への怒りが、おれのピストンを獣じみた動きにする。おれ以外の男と寝るくせに、まるでおれの陰茎でしか興奮できないといわんばかりに欲情してよがりまくるテレクラ女への怒りは、どれほど強く腰を突きつけたとしても、それが膨らむことがあっても、おさまるということがない。
そして、おれは、テレクラ女にとって、「いままででいちばんよかったわ」といわれるたぐいのセックスをしてしまう。その「いちばん」など、「最高のうちのひとつ」であり「たくさんあるいちばん」でしかなく、決して孤高ではないということが、またおれの嫉妬を煽りたてる。
まあいい。おれ以外のテレクラ男とセックスをして失望すればいい。おれほどのセックステクニックも持たず、勃起維持力も持たず、陰茎の硬さや太さにおいても軟弱な、性的欲求不満のテレクラ男どものポークビッツペニスを用いた不器用で不慣れなセックスにがっかりすればいいのだ。
それで、ああ、あのときの剛直テレクラ男は最高だった、またあのようなセックスがしたいのに、どうして目の前のこのひ弱なテレクラ男のセックスはこんなにもどうしようもなく気持ちよくないのだろう!と慨嘆すればいいのだ。
おまえが俺とのセックスを求めるとき、おれはもうどこにもいない。だからいったのだ。おれ以外の男に抱かれるなと。おれ以外のセックスをすると後悔することになるぞと。あれほど言ったのに、おまえは、おれという最高のセックスを体験してしまったばっかりに、別の男にもおれとのセックスを期待してしまう!
なんて馬鹿なテレクラ女たちなんだ……だからこそ愛しいテレクラ女たち……おれの全身を嫉妬で満たしてやまないテレクラ女たち……おれはお前たち全員をセフレにして、おまえたちの肉体を独占したかっただけだった……