年忘れテレクラセックスには時間とお金を惜しまない

年忘れテレクラセックスには時間とお金を惜しまない
ファストフードみたいにハニーラインのセックスを楽しむこともあれば、何ヶ月も前から計画して予約していくレストランのディナーを楽しむようにハニーラインのセックスを楽しむこともありで、今回のテレクラ女とのセックスは後者である。

ファストフードみたいな楽しみ方というのはどういうことかというと、要するに「即ヌキ」であり、はやい、やすい、うまいを目指すセックスである。

まず、セックスの場所は自宅か相手の家、ラブホテルに行くとしても可能な限り安い施設を選び、レンタルルームがある街ならそこにしけこむ。

つまり、セックスに付随する様々な雑費を削減し、効率よく射精するというのがファストフード的なハニーラインのセックスということになる。

一方で、後者のセックスはどういうものかというと、これは、とにかく金を惜しまないでじっくりと時間をかけて、一回の射精で即解散するのではなく、休憩して何回戦も楽しむというような、休日をまるまる使って楽しむテレクラセックスだ。

利用するホテルも高級ラブホテルである。ラブホテルですらない普通のホテルのそれなりにランクが高い、高層階の部屋を予約して、絶景を眺めながらセックスをすることもある。

ときには、テレクラで即アポしたテレクラ女を連れて箱根あたりまで小旅行に出かけて温泉旅行セックスを決めることもあるが、これは、まあ滅多にない。一年に一回あればいいほうだ。

とはいえ、今回は、小旅行を兼ねたテレクラ遊びであり、二泊三日関西の旅であるから、温泉旅行セックスに匹敵する念入りのテレクラセックスかもしれない。

あらかじめアポをとっておいた関西圏の現地のテレクラ女と合流し、高級ホテルのツインルームで時間の許す限りヤリまくりハメまくる、飲食代などはぜんぶこっち持ちというかなり贅沢なプランであり、この好条件を断るテレクラ女はほとんどいない。

もちろん、毎回のようにこのような豪勢なテレクラセックスをしていたら、はやい段階で破産すること間違いなしなのだが、いってもこれは年の瀬だけの楽しみなのである。

この季節、世間は忘年会シーズンといわれるが、テレクラセックスとともに四季折々の季節を楽しみ一年間をテレクラのコールによってやりすごしているテレクラユーザーとしても、年の瀬のセックスには多少なりの忘年会的な意味をもたせたいのである。

もちろん、忘年セックスとはいっても、その一年で体験してきたテレクラセックスをすべて忘れてしまおうというのではない。そうではなく、テレクラセックスの楽しかった記憶だけを来年に持っていくために、テレクラセックス以外のいやだったことは全部忘れてしまおうと、そういう考えがあるのである。

元旦から始まったテレクラセックスのすべてが首尾よく良好に物事が進行したというわけではない。そのなかには口の中が苦くなるような失敗(実際、苦虫を噛み潰したような味がする女性器の持ち主もいた)もあり、思い出したくないようなセックスもあった。

忘年セックスは、いたずらに回数を重ねていくばかりのファストフード的テレクラセックスによってもたらされた、失敗体験などを供養し、「今年もいいテレクラセックスしかしなかった」と思い込むために行われるのである。

もちろん、これが忘年セックスであることをテレクラ女には伝えていないが、好条件であるためか、テレクラ女のセックスにまつわる寛容さは、普段のファストフード的テレクラセックスとは比べ物にならない。

ゆっくりと穏やかな時間が流れていく。いつもよりじっくりと舌をねじこむディープキスや、プレイを中断しての雑談、果てしなく続くグレイトフル・デッドのジャムセッションのような愛撫など、金銭と時間に余裕があるテレクラユーザーにしか許されていない行為を思う存分、自分の気が済むまで楽しむ忘年セックスが楽しくないはずがない。

相手がどんな女性なのかいまいち掴みきれないまま解散するファストフード的テレクラセックスと違い、二泊も同じホテルで過ごすことになるテレクラ女性とは、やはり、どうしても親密な雰囲気にもなる。

ケツの穴の毛の数まで数えあう関係とでもいったらよいだろうか、忘年セックスを過ごすことになるテレクラ女性と私は、おそらくは棺桶のなかに入るまで忘れることはないだろう濃密なセックスの時間を過ごす。

それでいて、相手とは二度と連絡をとることもないのだ。あの日、あのとき、ゆっくりと時間をかけてセックスをしたあの女性はいまごろ元気でやっているだろうか、と心のどこかでふと思い出される瞬間を蓄積するために、私はこの忘年セックスを毎年楽しんでいるのかもしれない。

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